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表3.23 断面性能の比較例17)

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接によって取り付ける必要もないので‘やせ馬’等による凹凸もなく、取付けの手間も不用という利点がある。
(1)接着ハニカムパネル
接着ハニカムコアの材質は2024−T3又は同−T81合金、5052−H39合金、5056−H39合金(以上は米国軍用規格)が本来のもので、最近は3003−H18合金もある。船舶用としてはコアが5052−H39合金か3003−H18合金、面板は5052−H34合金又は1100−H34合金のものがよい。ハニカムパネルとして購入する場合は、荷重条件からセルサイズ、ハニカムコア高さ、面板の材質と厚さを製造業者の技術資料から指定することになる。
用途としては、上部構造における床、間仕切り、ドア、棚、天井その他の内装的なものである。また、ハッチカバーや魚倉の差等、比較的重量があって取扱いに不便なものが考えられる。このような場合に問題となるのは端末処理であり、図3.18に継手を含めて数例を示した18)。端末処理材には6N01−T5合金又は5052−H112合金押出形材を用いる。
なお、船室外の暴露部に使用する場合等はパネルの水密性が重要であり、使用した接着剤の耐久性についても製造業者から聴する必要がある。
(2)ろう付けハニカムパネル
ろう付けハニカムパネルは一例を図3.17(b)に示したように、ハニカムコアと面板を真空中で一体ろう付けしたものである。構成材料は心材が6951(A1−0.6%Mg−0.35%Si)合金、皮材(ろう)が4045(Al−10%Si)合金からなるフレージング・シート(JISZ3263,BA24PC及びBA23PC)である。心材の6951合金は、ろう付け温度60ザCからの空冷で、冷却速度が高いと焼入れ効果が現れる。したがって、ろう付け後、160℃で18時間程度の焼戻し処理すると、静的強度はろう付けのままよりも向上するのが特徴である。
ろう付けハニカムパネルは、接着ハニカムパネルのように接着剤の特性に支配されることがなく、溶接できるのが大きな利点である。面板同士、或いは面板と押出形材との突合せ溶接やすみ肉溶接はできるが、薄板としての溶接が主となる。そこで、前出の図3.18における(d)〜(f)

 

 

 

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